では、どのように私がレッスンの時に、スイング中の下半身の使い方をレッスンしているのかを簡単に説明してみたいと思います。
まず、初心者の方。
骨盤を前傾した状態から、スイングを始めることを理解してもらわなくていけないので、
がに股でアドレスして、その状態で往復素振りをしてもらいます。
往復素振りをするときのポイントはまだ他にありますが、今回は骨盤と股関節を意識して、骨盤が前傾したまま、往復素振りができるように、話を進めていきます。
もちろん、正しい動きをやってみせて、真似してもらうことが一番理解できるので、最初の1ヶ月は家でも出来る下半身ドリルをレッスンで指導します。
正直、思うところは、骨盤が前傾したままスイングをしていると理解できるまで、練習場で練習していても、家でドリルをしていてもそこまで変わらないので、理解するまでは必ず下半身の使い方を丁寧に、何度もレッスンすることになります。
ある程度経験を積んできているレベルの方。
ある程度スイングの知識がある人は、骨盤がスイング中に前傾しなくてはいけないことは理解できていると思います。
正確にいうと、アドレスからテークバックしてインパクト直後まで前傾していて、インパクトからフィニッシュで前傾していた骨盤がひっくり返る動きを、骨盤と股関節がどうなっているのかを説明します。
とても難しいテーマのレッスンなので、骨盤と股関節のレッスンのときは、手を抜かず、手間ひまかけて、じっくりレッスンすることになります。
スイングの下半身の練習を重要視してこなかった人は、スイング中に骨盤の回転の運動量がたりなかったり、股関節の使い方を見せてあげて、真似してもらって、
まるで簡単なダンス覚えるような感覚でレッスンを進めていきます。
スイングの下半身の動きを人にレッスンするには、正確に、正しい動きをマスターしている人でないと、スイング中の下半身のレッスンは人に指導することはできません。
そして、ここからが本題になります。
本当に正しい下半身の動きを指導すると、ほとんどの人が、スイング中に横にブレているように感じるのです。
ブレていないのに、ブレているように感じるのはなぜなのか?
鏡や、窓ガラスに映る自分を見ながら、下半身の動きを指導していくと、ブレているように感じるのに、鏡に映る自分の姿はブレていないのです。
それは、背骨を軸として下半身の動きを作っていくと、背骨の前の肋骨や内蔵が、背骨を軸として回転しながら横に移動するからです。
分かりやすくいうと、背中の背骨のどこにでもいいので、ビールジョッキの取っ手をバシッとくっつけるイメージをしてみてください。その取っ手を握って、背骨を左右に回転させると、肋骨と内臓は背骨を中心に、左右に動くはすです。
その肋骨と内臓が動く感覚をブレていると錯覚してしまい、正しく骨盤と股関節を使うレッスンをすると、ブレていると勘違いしてしまうのです。
ビールジョッキでもマグカップでもいいので取っ手を持って手首を支点にしてクネクネしてみてください。コップが左右に動きますが、取っ手とコップの間のところが軸がとなって安定して規則正しい動きができると理解できるはずです。
そのことを理解して受け入れることができたら、後は体で教えるのみです。
歩くことを教える、走ることを教える、ジャンプすることを教える。そしてスイングを教える。
どこの筋肉を使うのか、どこの骨が動いているのか、リアルタイムに私が動かすのを、みながら真似してもらうのです。レッスンを受ける人の間違えた動きを私がわざとしてみてあげて、そこから正しい動きをしてあげる。それを繰り返して見せてあげる。
そうして、数回レッスンを受けると、どのように使うのか立体的に理解していくことになります。
スイングの下半身の動きを正確に伝わるように文章にしてみると、とんでもなく長い文章になることは、皆さん想像がつくでしょうか?もちろん文章にはできるのですが、丁寧に事細かに書いていかないと、ほとんど間違えて覚えてしまうのです。
ということで、ほとんどのレッスン書を読んだとしても、ほとんどの人が間違えて覚えてしまって、そこにスイングのシコリが残ってしまっているわけです。
もっというと、日本人プロゴルファーでさえ、この50年、世界の一流選手のフットワークを理解できないまま、時が流れてきてしまったのです。
インターネットや、雑誌では、一流選手はこのようなフットワークをしていた!!とよく説明されていますが、今までの何十年の情報は何だったの??と私はいつも思ってしまっています。
この、スイングのなかで下半身が大切なのが分かっているのに、下半身のテーマを練習していると軸がぶれてしまうと感じてしまうという、ジレンマは本当に根深く、アマチュアゴルファーのなかで浸透していまっています。
本当に今回のことが理解できると、傾斜地から打ちやすくなったり、飛距離が格段にアップしたりと、良いことづくめです。
経験豊富な上級者の人をレッスンしていると、「こんなことは誰も教えてくれなかった。こんなに楽に打てるようになって、飛距離もアップすのに、、早く先生に会いたかった」と言われるのですが、
私自身も、誰もこんなことは教えてくれなかったので、オリジナルとして自分で勉強して研究してレッスンできるようになったわけです。
こういうスイングのジレンマはたくさん存在します。こうやって考え直せば、矛盾が無くなる、、
もっと、スイングのことを研究して、誰もが分かりやすい表現でレッスンができるようにるように、日々、私も研究していくつもりです。
歩くことを、走ることを、ジャンプすることを、スイングすることを文章にするということは、とても、とても難しいことなのです。
2020年09月01日 16:14