どれだけ練習しても自分のゴルフのスイングになかなか満足することはありません。
分かった!ものすごく打ちやすい!
と、思ったとしても、その分かったことをやっていても、打ちにくくなってしまう。
経験を積めば積むほど、ゴルフスイングというものは、奥が深いことを知ることになります。
私自身がゴルフスイングのことを考え続けていて、ゴルフスイングがどのように複雑で、その複雑さを分かりやすく例えるならば、ゴルフスイングを管弦楽曲を演奏するオーケストラに例えるとしっくりくるなと感じています。
オーケストラというのは、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器で演奏されるわけですが、たくさんの種類の楽器が1つの演奏楽曲に応じて、ハーモニーとなって1つの楽曲を構成されます。
ゴルフスイングも、
手首、肘、肩、股関節、膝、足首の角度。そのそれぞれの角度がスイング中に、それぞれの角度に影響することの計算。
テークバックからトップオブスイング、トップオブスイングからインパクト、インパクトからフィニッシュの1.4秒の中の動く量の構成の比率。
スイングを構成するそれぞれのスイングの部分的なクラブフェースの開閉の量。
ゴルフクラブの特性によるスイングへの影響。
打ちたい球筋にたいしてのスイングの調整。
手の長さ、足の長さ、骨格、肉付き、関節の柔軟性、筋力の強さに対してどのようなタイプのスイングを当てはめるかの検討。(スイングのタイプは、何種類もあります。)
そして、安定したスイングのリズムとテンポ。
と、まるでオーケストラを演奏するように、たくさんの楽器を1,4秒のなかでバランスよく奏でなくてはいけないのです。
感のいい人でも、頭脳明晰な人でも、どれだけ努力して練習して、深く悩んで全身全霊でスイング作りに取り組んだとしても、誰もスイングを完成することができない。
どれだけ上級者になったとしても、スイングが本当に完成したという実感が無い、虚しい感覚。
プロゴルファーでさえ、プロゴルファーになってからも自分のスイングに悩む現実。
こういったことを、オーケストラに例えてみると、私はなるほど!だからスイングは完成しないんだ!と思うのです。
1つの練習ドリルを、スイングのある部分のために練習していたとしても、オーケストラの中の1つの楽器を練習しているだけにすぎないと考えたら、納得できるわけです。
ゴルフスイングというのは、たくさんの楽器で1,4秒のなかで演奏されているので、1つの楽器をたくさん練習したとしても、まだ他のたくさんの楽器を練習して、練習したこと全てを、バランスを考えてハーモニーにしなくてはいけないのです。
ゴルフが上手くなったとしても、バランスよく、たくさんの楽器を練習し続けなければ、スイングのハーモニーは壊れてしまう。
こう考えると、ゴルフのスイングがなぜ完成しないのか?が説明がしやすいと、私はよく思うのです。
もし完成している人がいるとするならば、タイガーウッズ選手、ローリーマキロイ選手、ダスティンジョンソン選手、ブルックスケプカ選手のようなスイングができたときなのかもしれません。
ですがそんなスイングにたどり着ける人は限られています。
ほとんど日本のプロゴルファーでさえも一流のスイングに憧れて練習しているのは、スイングが複雑なバランスによって成り立っているからです。まるで、オーケストラのようです。
1人の音楽家が、新しい1つのオーケストラの楽曲を作り上げる。
1人のゴルファーが、自分のオリジナルなスイングを作り上げる。
ゴルフのスイングを上手に練習していくということは、たくさんの要素、そのたくさんの要素をいっぺんにバランスよく組み立てていくということなのです。
そういう現実に、謙虚になって、ゴルフスイングを練習したとするならば、どう考えて練習すればいいと思いますか?
途方にくれて練習をやめてしまう。ということは、考えが浅い人です。
難しくて、複雑なことにたいして、受け入れて、謙虚になって、自分なりに、自分にあった自分のペースで、正しくバランスよく練習していく。
例え完成しなくても、、、
こういうことを楽しめるような、大人な人になれたなら、きっとゴルフをもっと好きになれるのではないでしょうか?
たくさんあることのなかで、1つのことだけで悩んでいる。
そんな馬鹿らしいことから早く抜け出して、上手に練習できる人になっていただけたら、きっとたくさん上達するはずです。
私自身、まだスイングは完成していないですし、今のスイングを維持するだけでも色々な練習をしないと維持はできません。
そんな中でスイングを新しくリニューアルしたいと思ったとしても、1つのこと組み込むだけで、スイングの色々な部分とのバランスを考えなくてはいけませんので、途方もなく大変な作業になります。
上達すればするほど、たくさんのことが身についてきて、チェックポイントが10個、20個と増えてくる。
もちろん一度にできることは限られてくるのですが、それをバランスよく、たくさんのチェックポイントを循環して練習していく。一流になればなるほど、精密な動きを維持することは、1人では難しいので、穏やかにスイングコーチ、フィジカルトレーナー、メンタルトレーナーがチームとなって、たくさんのスイングのチェックポイント、体のチェックポイント、メンタルのチェックポイントをバランスを考えて維持するわけです。まるで、たくさんの楽器をオーケストラで奏でるかのように、です。
もちろん、アマチュアの皆さんは3つ、5つのチェックポイントがあれば十分上級者になれますので安心してください。プロゴルファーというのは、オーケストラの楽器を全て練習しなくてはいけないので、チェックポイントが多いのです。
タイガーウッズでさえ、まだまだ練習して、レッスンを受け続けていることを、その理由をオーケストラに例えてみると私には、、私の中でとてもしっくりくるというのが今回のテーマでした。
2020年10月08日 07:20