スイング動画を撮って、正しい分析をして、自分にプラスになるようにするには、経験と知識が必要となります。レッスン依頼の理由として、スイング動画を自分で分析して、修正したらかえって打てなくなって、次になにをしていいのか分からなくなったという理由は少なくはありません。
もともと、プロゴルファーでも体型、打ちたい球筋、スイングのシステムによって体の使い方、スイングプレーンは違います。よく、スイング動画を撮った後に、動画に線をひいてスイングプレーンを分析しようとしますがよほどの知識がないと分析はできませんし、体の動かしかたが間違っていたらスイングプレーンを分析する前の話となってしまいます。プロゴルファーでも様々なスイングプレーンであることが、雑誌の連続写真やインターネットのスイング動画で確認することができます。
スイングプレーンは、ゴルフを初めてある程度練習すると、その人の体型や癖でほとんど固まって決まってしまいます。簡単にいうと、文字を書くときに、筆跡の癖ができるのと同じことだと言うと分かりやすいかもしれません。筆跡の癖は、訓練すると治すことはできますが、修練がいることは誰でも分かることです。スイングプレーンを治すということは、筆跡を治すことと似ています。
また、スイングプレーンを分析する前に、体の動かしかた、足首、膝、股関節、肩甲骨、肩、手首の関節の可動域の動く量を見極めなくては、分析しようもありません。
プロゴルファーのようなスイングができないのは、関節の可動域や筋力が関係しているからです。現実として、身の回りに息を飲むほど美しいスイングをしている人はなかなかいないはずです。
ですが、、私はコーチとして、日本のプロゴルファーでも海外で活躍することが難しいというのが、「小手先の美しさ」を求めていることであるといつも思っています。
海外の一流選手は癖が強くても躍動感溢れるスイングの持ち主ばかりです。自分の体型にあった、自分の振りやすい本当のスイングを見つけた人が、素敵な人であって、取って付けたようなスイングプレーンを身につけようとして、本来のスイングの躍動感が無くなっては本末転倒であると、プロゴルファーに対しても強く主張したいことが、今回のテーマです。
世界最高のコーチの1人である「ハンク ヘイニー」が動画を撮りすぎていけないと言っている理由が少しでも理解していただけたでしょうか?
一流選手でも、スイング改造が失敗し、成績が出なくなるということに、アマチュアゴルファーは謙虚にならなくてはいけません。
そして、全てのゴルフのコーチも、綺麗なレッスン場所を用意して、立派な動画を撮る機材でスイングを撮ったとしてもレッスンの実力がなくては本当の良いレッスンはなかなかできません。
ゴルフコーチもプロゴルファーのスイングを調子よくすることの大変さが分かっていなければ、本当のスイング分析ができる訳もないということは、身を律して受け入れなくてはいけません。常にゴルフスイングの勉強を怠ってはいけないということは、他の第一線でのお仕事でも同じことなのです。
もし、病院に行った際に、「どうぞご自由に、レントゲン、MRIをお使いください。後は御自身で分析してくださいね。」といわれたらどうでしょうか?ゴルフのスイングを撮ることも全くの同じことだということに気づいてください。
ゴルフにはたくさんの要素があります。ゴルフはとても奥が深いこということに謙虚になれば、おのずと自分のゴルフが見つけられるはずです。
もし、どうしても動画を撮りたいという人は、まず、鏡でゆっくり自分がどのようなスイングをしたいのか確認してください。鏡を見ながら、自分のしたいスイングが分からないのに動画を撮っても分析ができないのは当たり前ですね。プロゴルファーのスイングをゆっくりと真似するのはとても難しいですが、動画を撮るより先に、鏡で理想のイメージを作らなくては、自分のスイングと比較できないので分析はできません。そして、スイングプレーンよりも、体の動きを先に治すことも大切なことです。
私はレッスンの際に、その人にあったスイングを、自分の目で鏡で見てもらいながら手取り足取りで作ることがあります。本人は違和感があっても、鏡でみる姿はプロゴルファーの連続写真でみるフォームなので受け入れることができるのです。格好いいと思うからこそ、治そう!という気持ちが起こる訳ですね。
私も、もっとゴルフの勉強を続けて、もっと良いレッスンができるように精進したいと思っています。レッスンのご希望がある方、アマチュアゴルファーも、プロゴルファーも、いつでもお問い合わせお待ち申し上げております。
2019年02月04日 12:01