ゴルフスイングの中でのパッシブトルク!?
もともと、パッシブトルクというのは、サショ マッケンジー教授が提唱した理論です。カナダの聖フランシスコ ザビエル大学のバイオメカニクスという学問を研究しているのが、サショ マッケンジー教授であり、現在の一流コーチ、一流選手達に影響を与えているホットな人物なのです。
バイオメカニクスというのは、生物の構造や運動を力学的に研究したり、その結果を応用して生かしていく学問のことです。バイオメカニクスは生体力学と日本訳されることが多いようです。
ジョーダン スピースのコーチのマコー ミック。
ブライソン デシャンボーのコーチのクリス コモ。
タイガーウッズの前コーチのショーン フォーリー。
これらの一流コーチ達のスイングレッスンに多大な影響を与えたのが、サショ マッケンジー教授のパッシブトルクなのです。
では、パッシブトルクを解説していきたいと思いますが、日本で紹介されている色々なパッシブトルクの説明がありますが、どれもこれもサショ マッケンジー教授の提唱している内容と微妙にズレており、日本のゴルファーを混乱させているようです。
レッスンの時に、私に、「パッシブトルクって結局どういうことなの?」と聞いてくる人がいるのですが、どこかで見たレッスンのパッシブトルクの説明では理解することができず、結局悩みの種となってしまっている人ばかりなのです。
パッシブトルクというのは、パッシブ=受動的な、トルク=捻じれのことで、ゴルフだけでなく、全てのスポーツのフォームにおいても用いられる用語だということを理解しなくてはいけません。
ゴルフスイングにおいてのパッシブトルクを、
分かりやすく言うとスイングのなかでテークバックからダウンスイングの切り返しのなかで積極的にでなく、受動的な捻じれを利用して、効率的なエネルギーを生み出すということになります。
分かりやすくない?ですか?
もっと分かりやすく言うと、あれこれ理屈でスイングを考えるのでなく、ナチュラルなシンプルに、もともと生体力学的に発生していることを、生かすということです。
まだ、難しい!?
もっともっと分かりやすくいうと、スイングをシンプルにするための理論がパッシブトルクです。
効率的にシンプルにするために提唱されたパッシブトルクという理論が、日本では難しく説明されている、、こういうことの繰り返しが日本のゴルフ界をダメにしていることは、私はコーチとして常々思っています。
全身の全ての動きのなかで、自然に発生するパッシブトルクを、去年流行ったシャローイングや、10年前からあるレイドオフと混同して説明してしまっている、日本のコーチ達はちゃんと勉強してから、人に説明して欲しいと強く私は思います。
パッシブトルクというのは、スイングの切り返しでクラブが背中側に倒れる動きから、全身の動きの流れの中で筋肉や腱がバネになることを利用して、クラブが背中側に倒れた状態でのヘッドのフェースを、開いている所から、自然に閉じようとすることを利用する動きです。簡単に言うとバネを捻ったら自然に捻り戻るでしょ?ということです。
それに対して、シャローイングというのは、積極的に全体の動きというより部分的に、切り返しでゴルフクラブを背中側に倒してカット軌道を防ぐための理論です。シャローイングという理論のなかでは、反動でヘッドが閉じる動きという意味は無いので、パッシブトルクの理論の中でのある一部分の動きとも説明できます。
レイドオフというのは、トップオブスイングで、ゴルフクラブが飛球線に対してクロスしないように開くようにポジションをとることなので、これもパッシブトルクの理論とは意味は全く違います。
パッシブトルクの理論を知ると、意味もなく複雑になってしまったスイングをシンプルにすることができるようになるのですが、日本のレッスンシーンでは、悩ませるように説明してしまっているので、皆さん意味を間違えないようにしてください。
野球をしたことがある人は、ピッチャーの投球動作の切り返しのパッシブトルクを生体力学的に体、肩、肘、手首の動き、捻じれを詳しく人に説明できますか?
テニスのサーブでは?
サッカーのシュートでは?
バスケのシュートでは?
と、パッシブトルクというのは、他のスポーツにも応用ができて、かつナチュラルな動きを、敢えて説明した理論なのです。
走るときにどのように体を使う?
ジャンプするときには?
ボールを投げるときには?
それを、意味もなく理論的に複雑に、憶えようとすることは馬鹿げているのです。
ゴルフのスイングを、レッスン書を読みすぎたり、インターネットレッスンを見すぎたりして、動きが固くなってしまった人のために、パッシブトルクという理論があるというと、もっとも分かりやすいのかもしれませんね。
頭でなく、体でスイングを覚えさえすれば、パッシブトルクというのは自然にできていることなのかもしれません。
ジュニアゴルファーを上手にレッスンしていくと、無意識にパッシブトルクを使うようになるのに、日本の劣悪なレッスンは、自然な動きを無くしてしまってきたというのが、真実であり事実なのです。
日本のプロゴルファーが日本で育つと、世界で通用しなくなってしまう。
スイングが固くなってしまうことを防ぐためのパッシブトルク。
世界の一流選手は柔らかくリズミカルなスイングをする。日本人プロゴルファーは!?
正しく理解するというのは、本当に難しいことですね。
理解できないことはやらない!それがナチュラルにいられる秘訣なのかもしれませんね。
私のレッスンは、パッシブトルクが無意識に発生するように進めていきます。本来なら、意識しなくてもいいのに敢えて説明するというのは上級者やプロゴルファーへのレッスンということですね。
パッシブトルクが気になる人は、私が体で、実際に、私がボールを打ちながら説明しますので聞いてくださいね。
ナチュラルすぎる動きなので、少し難しい内容になってしまいますが、正しく理解すると本当にスイングが気持ちよくなる、それがパッシブトルクなのです。
2021年09月28日 05:24