御年72歳でシングルプレーヤーに成った櫻井宏直さんの逸話!?
今年の春、私のレッスンを受けていただいている櫻井宏直さん(現在72歳)が、愛知県春日井市に存在するチャンピオンコース、春日井カントリーにて、
念願のシングルプレーヤーに昇格されました。
櫻井さんに敬意を込めて、シングルプレーヤーになるまでの経緯などを、お話ししてみたいと思います。
72歳でシングルプレーヤー。
とても凄いことです。70歳を越えてチャンピオンコースでシングルプレーヤーになるということは、全国的にみてもなかなか聞く話ではありません。
66歳からレッスンに通い、あきらめないでシングルプレーヤーを目指し、シングルプレーヤーを達成。
素晴らしい心構え。
その情熱がどこから来るのか?
人が人として一生懸命に何かをして、その何かを成し遂げるための必要な気持ち、気迫を、私はゴルフコーチとして、櫻井さんから学びました。
あきらめないで継続をすることの大切さが全て。
櫻井さんへの6年半程のレッスンのなかで、6年半の時間をかけて、私は継続はチカラになるということを改めて理解し直すことができました。
きちんと私の頭の中の記憶を思い出してみると、2017年に櫻井さんが私の元へレッスンを依頼をし通い始め、最初のレッスンに来る理由だったのが、グリーン周りのアプローチの精度を上げたいという要望でした。
アプローチを寄せてワンパットの確率を上げられたら、シングルプレーヤーに成れるのではないか?そのように考えをお持ちになり、私の元へ訪れた、そのように記憶しています。
春日井カントリーは、ゴルフ場設計家のなかでも第一人者である巨匠井上誠一氏により設計され、1964年に開場された名門中の名門です。
1969年日本プロゴルフ選手権大会、
1975年日本オープンゴルフ選手権競技大会、
1980年日本女子オープンゴルフ選手権競技大会、
が開催されたことのある真のチャンピオンコースです。
近年では、日本プロプロゴルフ協会のプロテストの最終試験会場にも選ばれました。日本には2300程のゴルフ場があり、その中でプロテストの最終試験会場に選ばれたということは、難しいコースということを日本プロゴルフ協会が認定したということにります。
数多くチャンピオンコースがあるなかで、春日井カントリーが難しいと言われるのは、
コースの全長距離は数字としては長くないのですが、400ヤードを超えるパー4で登りのホールが多く、セカンドショットを少しでもミスをすると届かないので、なかなかパーが取れない。
ドライバーで240ヤード打って、フェアウェイウッドで200ヤード飛ばしてようやくグリーンの側までたどり着く感じというと分かりやすいかもしれませんね。ショット力が試され、少しのミスも許さないコース。
なので、中部地区のチャンピオンコースの中でも、実力が無ければいいスコアが出にくいコースだと言われているのです。
春日井カントリーで、良いスコアが出せたら本物の上級者。
そんな名門の春日井カントリーで、シングルプレーヤーに成りたいと最初のレッスンで懇願してきた66歳の櫻井さんに対して、私はシングルプレーヤーに成れる可能性は残っているとその時に判断したのですが、何故成れるのかと判断したのか?
それは、
春日井カントリーではないコースのレギュラーティーでは70代のスコアが出ていたこと、
ご年齢に対して体幹の強さがとても強かったこと、
スイングのリズムとテンポがとても素晴らしかったこと、
ラウンド数が年間60ラウンド以上だったこと、
そういうことを踏まえてシングルプレーヤーに成れる可能性が残っていると判断できたのです。
やれるだけのことをやってみましょう!!私はシングルプレーヤーに成れると直感で感じたので、最初のレッスンで、そのように櫻井さんに伝えました。
もし、成れるのなら、櫻井さんがどうなったときなのか?
それを結果から計算してレッスンを進めることにしました。
そして、6年半もの年月を経て、春日井カントリーのバックティーでナイスプレーをやり遂げ、シングルプレーヤーに成ることができたのですが、その6年半に題名をつけるとしたら、
「膨大なトライアンドエラー」。
とにかく、コースで直ぐに理解できることを練習場のレッスンで覚えて、それをコースで試す。それを諦めずに、ひたすらに繰り返す。
そのトライアンドエラーの内容の全貌を話すととんでもない量になってしまいますので、その中でもポイントだったことを掻い摘んで説明しますね。
まずは、グリーン周りの寄せてワンパットを磨くこと。
それは必須でした。
そこから見直さなくてはシングルプレーヤーに成ることは出来ません。
グリーン周りのアプローチを寄せる、それを1パットで入れる。
それができるから、セカンドショットを是が非でもグリーンの周りに飛ばそうとする意志が芽生える。
セカンドショットがグリーンに打てる所に、ドライバーを飛ばすだけ。ドライバーなんて、セカンドショットがちゃと打てるところならどこでもいい!
この考えの循環を何十ラウンド、何百ラウンドもこなして、シングルプレーヤーとしてのコースマネージメントを学んでもらう。
シングルプレーヤーに成るまで、一切の迷いはなく、ココロの軸は1ミリもブレない。櫻井さんのメンタルは想像を超えるほど強靭です。
簡単に言っていますが、これはなかなかできることではありません。
普通に、一般的には、スイングを気にして、飛距離を気にして練習をします。
スイングが気になると、スイングだけの思考になって、セカンドショットで傾斜から確実に200ヤード飛ばすことや、アプローチを本当に寄せられるようになることをに意識が行かなくなってしまいます。
アプローチを寄せて1パットを、とにかく一番最初に取り組んで、そのことに拘ると、スイングのことを考えなくなる。
スイングのことを考えないから、コースの中で考えて、覚えなくてはいけないことに意識が行くようになって、ナイスショットでなくても、マネージメントでパーが取れることを理解する。
簡単に寄せられるアプローチを覚えることから取り組んで、パットをひたすらに練習することから始めること。
それが、私の櫻井さんをシングルプレーヤーになっていただくための作戦の要でした。
そのアプローチとパターを徹底的に3年間。
とにかく、安心して、楽に、適当にアプローチができるようになるまで、とんでもない量の時間を要しました。櫻井さんのその忍耐力は尋常ではなく、とにかく上手くいかなくても前向きにやり続ける様は、まさに鉄人。
そして、なにより凄いのは、なかなか出来なかったとしても、「とにかくやってみるよ」と気持ちよく、爽やかに何十回も、何度でも言えるココロの強さ。
上手くいかなかったり、迷っている時にその人の器量が試されることになるわけですが、櫻井さんはとにかく、爽やかでジェントルマン。
まるで春日井のクリント・イーストウッド。
櫻井さんがシングルプレーヤーに成れた理由はここにある。私はそう分析しています。
素直さ。
アドバイスを真っ直ぐに受け止めて、疑いもなく試す。
直ぐに出来なくても、続けて、信じることができる素直さ。
きっと、人生の荒波のなかで、素直さとは何なのか、素直さの大切さを、海千山千で深く深く理解されて、それをシングルプレーヤーを目指すための道中で、
実践し、発揮されたのですが、素直さを磨くことは中々誰にでもできることではありません。
素直に、爽やかに成ることができたのなら、人生は豊かになる。
仕事も、ゴルフも成功された櫻井さんからは、私は多く学ばさせていただき、本当に私はコーチとして運が良かったと言えます。
レッスンしていたつもりが、逆に教えられていた。
素直さの大切さ。素直さは学びの進行を加速させる。
話しを戻します。
アプローチに安心感が出るようになって、それが無意識に出来るようになった後に、取り組んだこと。
それは、春日井カントリーのモンスターPER4を攻略するために、フェアウェイウッドのミート率と飛距離を飛躍的伸ばすことでした。
櫻井さんは、スイングの形よりも、リズムとテンポを大切にするゴルファーだったので、フェアウェイウッドの技術を向上させることは意外と容易だったのですが、5番ウッドで190ヤードから210ヤードまで自然に飛ばせるようになり、そこでようやくシングルプレーヤーになるために必要な方程式が出来上がったのです。
ドライバーを適当に210ヤードから250ヤード飛ばして、フェアウェイウッドを190ヤードから210ヤード飛ばして、アプローチを寄せて、ワンパット。
これで、長いPER4でパーか、ボギーが取れる。
ここまでにかかった時間はレッスンを始めてから4年。ラウンド数はおよそ240ラウンド程。
そして、その出来上がったコースマネージメントの方程式で、春日井カントリーを何度も何度もチャレンジ。
乱れたら基礎練習に戻る。
そして、定期的に筋肉トレーニング。
そして何度もラウンドをする。
6年半もの月日を経て、訓練したこと達が無意識に18ホールできるようになり、念願のシングルプレーヤーに成り得ることができたのです。
凄い。
あっぱれ!
本当に心から感服し、祝福の言葉を送りたいと思います。
今以上の上達を諦めていた方に、勇気と希望を持っていただけるように、櫻井さんから許可をいただいて、このような記事を書かさせていただきました。
ちなみに、櫻井さんは本当にゴルフを愛するゴルフ紳士で、いつも全国津々浦々のゴルフ場をプレーしに行っています。
「今月は、鹿児島行ってくる、来月は千葉で2ラウンドしてから、、」みたいな会話が日所茶飯事。
日本全国には2331ものゴルフ場が運営されており、櫻井さんは、2331のゴルフ場の中で486のゴルフ場をプレーしました。そのプレー記録のファイルの写しを、この話しを書くために頂けたのですが、見出しの写真はそのファイルの中の一部になります。
プレーしたゴルフ場のボールマークを全て額縁に入れて保管しているそうですが、そのマメさ、、、凄いというか、言葉を失うほど圧倒される所業ですね。見出しの写真はその額縁に収めた沢山のボールマークです。
70歳を越えてからシングルプレーヤーに成れたのも、全国各地のゴルフ場を武者修行してしたことが根源にあり、そのことが所以なのかもしれません。
ちなみに、櫻井さんは、春日井カントリーのバックティのスコアのみをハンディキャップ委員会に提出して、シングルプレーヤーになっています。
春日井カントリー以外ではスコア70代でたくさんプレーしていましたが、その春日井カントリー以外のスコアはハンディキャップ委員会に提出はしない、それではシングルプレーヤーになる喜びが無い!と仰りながら、レッスンに通っていたことを、
この話しの結びの言葉とさせていただきます。
この、櫻井さんの偉業に感化され、勇気づけられる人が少しでも多くなることを願い、この逸話を書くことにしました。
櫻井宏直さんの次の目標は、バックティのハーフでアンダーパーを出すことです。
そのために必要なことを、櫻井さんとコツコツ取り組んでいこうと思います。
2023年06月11日 23:14