瞬過終透
一瞬に駆け抜けてしまう
海の泡が弾けた後の海のように
何事もなかったかのように
駆け抜けたことを全て
脳裏に刻み込んでしまうのなら
どれだけ苦しむことになるのだろう
良いことも
不都合なことも
すべて忘れることができないのなら
人は生きてはいけない
不完全で
矛盾していて
主観的で
か弱くて
一人では何もできなくて
人はとても脆い
本当に誠実に真面目に全てのことと向き合うことが
できる人はいるのでしょうか?
自分を犠牲にして?
全ての問題を解決することができて?
完璧な人?
みんな悩んでいて
みんな痛くて
みんな弱い
いつの日か
全ての人が
全ての思いが
暖かくて優しくて楽しくて
安全で光に包まれている
そんな世界が
地球の寿命の
後50億年のなかで
訪れている瞬間があるのでしょうか?
50億年が経った後の世界
何が大切だった?
何が素敵なことだった?
何が愛おしかった?
50億年経った後に
人の生きた証しは
どのような意味を為しているのか?
透き通るようなこの世界を
こう考えると愛おしく思える
痛みも
苦しみも
愁いも
海の泡のように、、、
50億年後には
人は味わうことができているのでしょうか?
生きる
生まれてきたことを味わう
どんな環境であっても、、、
生きることは
きっと素晴らしいことなのだろう
どんな人生だとしても、、、
50億年たった後にはそう思っているのだろうと
想像してみる
瞬過終透
【大きな病いに苛まれている君に捧ぐ
私は君を可哀想だとは思ってはいない
この美しい世界を最後まで味わおうと とする強い心を、、、桜の美しさを】
2021年12月16日 23:53