ゴルフのジレンマシリーズ:「ゆっくりテークバックすると飛ばなくなる?!」part3
その理由として、ある程度テンポよく、パッパとスイングをしないと、スイングの連動性が失われるからです。
レッスンをしているときに、飛距離が出なくなってしまったら、向き合って、スイング素振りをお互いにするようにします。飛距離が出ないときは、スイングの素振りが弱くなってしまうので、ビュッ!!と音がしなくなっています。ビュッ!と音がする素振りを見せて、真似をしてもらうレッスンをすると、ゆっくりテークバックしていては速く素振りはできません。慌ただしく感じても、パッパと振らないとヘッドスピードは元に戻らないのです。
スイングの調子が悪くなったときに、とりあえずテークバックを丁寧にしないと!と直ぐに考えてしまう人は、素振りが速く振れなくなっては意味がないということを理解してから、テークバックのチェックをするようにしてください。
一流選手のスイングを真似すると、慌ただしい程にスイングのテンポが早い理由は、スイングの連動性が失われないようにするためです。
時には、スイングの仕組みを理解するためにはゆっくり、スイングチェックをするときもあります。ですが、速く振れなくなるまで、ゆっくりチェックすることばかりしていると、スイングの躍動感が失くなり、スイングの連動性が無くなるのです。
ゴルフスイングを深く理解していくときに、時にはゆっくり丁寧に、時には激しく躍動感を意識して!とバランスよく練習していかないと、スイングを完成させることはありえないことでしょう。
タイガーウッズ選手も、渋野日向子選手も、スイングのコーチをつけているのは、バランスよく練習するためなのです。海外の選手が、長く第一線で選手を続けられる理由が、スランプにならないようなバランスのよい練習をしているからともいえます。
日本では、プロコーチが少ないので、スランプになると、自分で調子を戻せずに、そのまま、プロトーナメントをドロップアウトしてしまうため選手寿命が海外の選手と比べると短いのです。日本の女子トーナメントプロの平均年齢が25歳というのは、あまりにも若すぎます。プロゴルファーも、上手に練習することが難しいことを物語るデータともいえますが、コーチとしての私の意見としては、スランプになったあとに的確な練習ドリルをすれば、長く選手として存在できると思います。
スイングの調子が悪くなったときに、「早打ちになった」「丁寧にテークバックしないと」と直ぐに考えてしまう人は、スイングというものは連動性が無くなるとダメになるということを、理解していない可能があります。時には、荒々しく振らなくてはスイングは弱くなってしまうことでしょう。
皆さん、上手に練習メニューを決められるように、日々の練習を頑張ってくださいね。
2020年01月09日 17:03