ゴルフを楽しむということの難しさ
ゴルフの楽しみ方は、人それぞれです。上手になりたくて、いいスコアを出したくて頑張ることが楽しい人。仲の良い友達とゴルフをするのが楽しい人。飛距離をたくさん飛ばすことに、こだわりを持つことが楽しい人。どの楽しみかたが、正解なのかというのはありません。楽しむ本人次第です。
ですが、上手になればなるほど本来の「ゴルフを楽しむ」ことができなくなった人が、「楽しくなくなった」「頑張っても腕前が良くなる気配が無い」とレッスンの依頼を申し込んで来る人が後を絶たないことは実際の現状なのです。何故なのでしょうか?
ゴルフが上手になっていく過程のなかで、スコアと、競技ゴルフの順位の結果が分かりやすい指標となります。上手になっても、上には上が必ずいますし、それがまたモチベーションとなるのは間違いありません。ただ、、それだけを、楽しみにしてしまうと辛くなってしまいます。
練習した分だけ上手になるのでしたら、楽しくてしょうがないに違いありません。ですが、目標にたいして効率的に練習していくというのは、質の高い経験を持っているか、レッスンを受けるしかありません。分かりやすくいうと、子供に必要な教材を渡して、「自分で勉強のやり方を考えて、良い学校に入りなさい。足りない教材はどれだけでも与えます。」と、、言ったところで、何人の子供が目標を達成できるでしょうか?やはり最初は、勉強のペースや、実力にあった問題集を選んでもらわないと、なにからやっていいのかわかりません。ゴルフも、レッスン書やインターネット動画レッスンは繁雑するほどに世の中にあるのですが、その情報を駆使してパープレーにたどり着ける人は何人いるのでしょうか?もちろん、勉強、仕事、他のスポーツで成長するためのノウハウを経験している人であれば、自分でも情報を上手に使って上達できるのかもしれません。ですが、止まったゴルフボールに対して、自分で練習カリキュラムを組んで、正しい目標を設定して、目標を達成していく作業は、学業や、仕事が大成功することと変わらないほどの労力がいることなのです。
ではどうすれば、アマチュアとしてゴルフを楽しみ続けることが出来るのでしょうか?
それは、自分の練習量と、体力と、ラウンド数に応じて、達成できるような正しい目標を定めることです。そして高すぎず、低すぎない目標にたいしてコースでできるような簡単なスイングを練習していけば、本当は誰でもある程度のレベルまではたどり着けるのです。人と比べないで趣味として楽しめている人は、この目標の設定が上手だと言えます。解けもしない難しい問題集をいきなり勉強しても、理解できるわけはありません。プロゴルファーがやっていることをいきなり覚えようとするのではなく、確実にコースで実践できることをコツコツと積み重ねをしなくてはいけません。学業や、仕事や、他のスポーツと同じように実力はじっくりとしかつきません。焦ってしまうような自分にとって高すぎる目標は、本来の楽しさを消し去ってしまいます。
ゴルフというのは本当に難しいスポーツです。プロゴルファーでもスイングに悩み、自分を見失うことがあります。私は、プロゴルファーやプロゴルファーを目指している子供たちに、よくこの言葉を投げかけます。
「シンプルでいられるセンスを持ちなさい」
この言葉は、情報が繁雑した現代では一番難しいことなのかもしれません。どのようなことでも様々な要素で物事が成り立っているということに、心の深いところから謙虚にならなくては、「シンプルでいる」ことに意味を持つことはできません。
自分の実力にあった情報を選びだすセンスをあなたは持っていますか?