ゴルフスイングのジレンマシリーズ:スイングのなかで「クラブの重さ」を感じることと、「遠心力」を感じることの違い!?
ゴルフスイングを作っていく上で、よく「クラブの重さ」を感じないといけない、とか、「遠心力」を感じないといけないと表現しますね。私はレッスンをしていて、この2つの言葉が混同してしまって曖昧になっている人が多いなと思っています。この2つの言葉をしっかりと使い分けないとどうなるかと言うと、アプローチの距離感が滅茶苦茶になったり、飛距離が出なくなったりすることがあります。
まず、「クラブの重さ」を感じることと、「遠心力」という言葉はどういう場面で使うのか説明します。
「クラブの重さ」という言葉はアプローチやパター、そしてフルスイングの繊細な箇所を練習するときに使います。プロゴルファーがアプローチやパターを1ヤードずつ打ち分ける訓練をすることは必須なのですが、その際に「クラブの重さ」を感じるぐらいデリケートに練習しないと、距離感を作ることはできません。また、精密に遠い距離の目標を狙う場面でも「クラブの重さ」を感じながらと表現する時もあります。
「遠心力」という言葉を使う時は、飛距離を出すときに使います。 「遠心力」を感じていないと楽に飛距離を出すことができませんし、飛距離が伸びないという人はスイングを難しく考えて「遠心力」を感じられていない時が多いわけです。ベテランの人でも「遠心力」を感じるクセがない人は飛距離にムラがでてしまいます。逆に「遠心力」を感じられる人は練習しなくても、ある程度本番コースで悩まずに打てるようになるので、とても大切な言葉なのが「遠心力」なのです。
「クラブの重さ」というのは、モノが重力によって落ちることですし、「遠心力」というのは円運動のなかで、外側に引っ張られ続ける物理的現象です。この現象を正確に使いわけないとどうなるのか?アプローチの練習をしているときに「遠心力」を感じて練習すると、思ってるよりたくさん飛んでしまうことがあります。飛距離を伸ばす練習をしているときに「重さを感じる」要素を取り入れてしまうと、「遠心力」がなくなり飛ばなくなることがあります。
飛距離を伸ばしたい時に、「遠心力」でなく「クラブの重さ」を感じると言ってしまっている人は、よーく考えて使い分けをしないと練習が楽しくなくなってしまうので気をつけくださいね。明日の自分に感覚を残すということは本当に難しいことです。感覚を言葉にするということは、言葉の意味を曖昧にしてはいけません。なぜなら、明日の自分が間違えてスイングを思い出してしまうからです💦