ゴルフスイングのジレンマシリーズ:「ボールを見続けて練習する」ことのジレンマ part2
「ボールを見続ける」ということを意識するということは、練習のなかで気をつけなければなりません。
私がレッスンの際に「ボールを見続けてください」と言うときは、初心者の人がスイング中の軸を理解するときと、上級者になっていく過程のなかで、より軸を綺麗にしていくときに表現します。
ただ、一年間「ボールを見続ける」ことを意識して練習しても初心者の人がスイングが完成することはありません。なぜなら、スイングを作っていく上で、必要な体の回転量を身につけることができないからです。
「ボールを見続ける」ことは軸を作るためには大切なドリルですが、最終的には体の回転につられて、骨盤の回転と、脚が自然とつられて動かないといけません。よほどの筋力がないと、骨盤と脚を微動だにせずにヘッドスピードを上げることはできません。なので、ずっと「ボールを見続ける」ことを大切にして練習をしても、ある時期からは軸のイメージを壊さずに、骨盤の回転と脚を使うような練習を取り入れないと、窮屈なスイングから脱却できなくなってしまいます。
また、ミスをする度に「ボールを見ていない」と決めつけてしまい、ヘッドスピードが上がれば小さなミスならボールが飛んでいくのに、縮こまったままのスイングで回転を速くことが怖くなって飛距離を伸ばすことができないまま時間が流れていくのです。
なので、レッスンでは「ボールを見続ける」ことで回転量が少ない人にたいして、スイング軸のイメージがちゃんとあれば見ていなくてもクラブのヘッドが軸に対して正確に円運動をしているということを徐々にバランスよく説明していくことが大切なのです。
スイングをバランスよく作っていく上で「ボールを見続ける」ことを大切にしすぎてしまうと本当に必要な体の回転量が身に付かないことが理解できましたか?
上級者になるにつれて、骨盤と脚の動きを意識できるようにならないと一人前のゴルファーにはなれません。自分だけでなく、人に対しても「ボールを見ていない」「ヘッドアップした」とすぐに言ってしまう人は気をつけくださいね。せっかく調子が良くなっていて、たまたまのミスなら気にしないで見守って上げることのほうが大切です。
特に飛距離で悩んでいる人は、軸を大切にしながら、体の回転のスピードをいかに上げるのかを計画的に練習しないと、速く振ることが怖くなってしまい、飛ばしたいけど軸がぶれたくないから速く回さないというジレンマに落ちいってしまいます。
このように、ゴルフには様々なスイングを表現するときの言葉のジレンマがあります。これからも1つ1つブログで説明していこうと思っていますが、ゴルフスイングをバランスよく作っていくということは本当に奥が深いことなのですね。
コースで気持ちよくスイングできるように練習していくためには、間違えて練習しても上達はしないということに注意してください。